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 琉球大学に通学して、約5か月が過ぎました。
農学部の一般講義、農業経済学のゼミ、西表島の集中講義など、久しぶりの勉学に苦労はしているものの、新鮮な環境を大いに楽しんでいます。大学は、8月中旬から9月末まで夏季休暇に入っていますが、先週、今週と大学に出てきてます。英語の集中クラスと、ゼミに出席しています。実は、明日9/2~9/24まで、タイの東北地方にあるコンケン大学・Khon Kaen Universityの農学部に短期留学で行ってきます。その準備です。20代の頃、もっと積極的に勉学に励んでいたらと後悔はしているものの、勉学のスタートに年齢は関係ないと、まだまだ積極的にいろんなことに挑んでいます。Khon Kaen Universityでは、タイの農業事情、農業政策、そして農家でタイの農業を実体験する予定です。3週間と短期間ですが、多くのことを吸収し、これからの農業に何か役に立てられたらと思います。

タイから戻ると、いよいよジャガイモの植付の準備に入ります。

 

 

 最近、「昔の農業をヒントにする」という雑誌の記事を読みました。例えば、天気は雲の動き、海の様子を見て予想したり、鍬ひとつで上手に畑をこしらえたり、自然の肥料を使い方など、興味深いものばかりでした。その中で、もっとも興味深かったのが月の満ち欠けを見ながら、木材を伐採するという記事です。木材は、満月の時に伐採した木材と、新月の時に伐採した木材とはその品質は異なり、月が欠けていく時に、伐採するほうが木材の品質が高くなるそうです。なんと1669年、フランスで定められた法律では材木用の樹木は欠けていく月の間に伐ることと定められていたそうです。

 その記事を読み、購入したのが「月と農業 LA LUNA 中南米農民の有機農法と暮らしの技術 ハイロ・レストレポ・リベラ著」です。中南米に脈々と伝わる自然、特に月と密接に関係した農法を解説した本です。中南米といえば、16世紀に忽然と姿を消したマヤ文明、高度な天文学が発達した文明が存在した地です。その血を引き継いだ農民は月の力を感じ、自然と対話をし農業を行っているそうです。
 先進的な農業もいいのですが、今年は、この月と向き合ってジャガイモを作ってみたいと思います。来年の春の収穫が今から楽しみです。

8月7日、今日も沖縄に足止めです。
ただ、明朝沖永良部行きのフェリーが出港するようです。
明日、沖永良部に戻ります。

最近沖永良部島で、流行っているかは知りませんが、沖永良部芸能:ガジュマルダンスを紹介します。
最後のほう、ちょっと合ってませんが・・・。

※画面の下、中央にチョコンと座っているのが、人気のガジュ丸くんです。

 8/3で授業を終了し、8/4日に沖永良部に戻る予定でしたが、台風9号の襲来により、沖縄にまだ滞在しています。台風9号は勢力が強い上に、動くスピードが遅く、昨日から今日まで約1.5日間、マンションから一歩も外に出られませんでした。

 さて、4月から琉球大学大学院に通い始め、前期の授業がほぼ終了しました。初めて「農業」を講義として学びました。畑を耕しているだけでは分からない事を多く学びました。実際に農業をする上で必要ではないことも多くあります。農家ということでは、遠回りかもしれませんが、学ぶ喜びに満足しています。

 6月末に西表島で一週間の集中講義を受けました。マングローブ、西表島独特の亜熱帯雨林、サンゴ礁、イリオモテヤマネコ、と大自然を体験しながらの講義です。
 その中で、マングローブについての講義は、とても興味深いものでした。熱帯、亜熱帯地域の河口周辺など、満潮時には海水で覆われる湿地帯に生息する植物を総称してマングローブと呼びます。では、マングローブは、なぜ海水に浸る場所でも生きていけるのか?マングローブは、独自でその塩分を濾過する機能を持っています。濾過の方法は、マングローブの種類によって異なり、大きくは、3つの種類に分けられます。①海水塩分を根で濾過する種類、②塩分を葉の塩類腺から蒸散させる種類、③塩分を特定の葉に蓄積して一定量以上になるとこの葉を落葉させる種類などがあります。また、生存しているのが湿地帯であるため、地中に酸素が欠乏しています。それを補うために、根の一部を地上に出して、根で呼吸を行います。更に近年になって分かったことのようですが、種によっては、根で光合成まで行っています。
 私は、講義の中でこんな質問をしました。
「進化の過程で海から陸へと生存場所を移動させていったと思いますが、マングローブは、何が進化し、マングローブとなったのですか」
「マングローブは、もともと陸の植物で、陸上での生存競争の中で陸上が飽和状態になったとき、潮間帯を生存の場所に選び、その自然環境で生存するためにマングローブが進化したのです」という答えでした。
 マングローブは進化し、陸上に生存していったと思い込んでいた脳に、その解答は、大きな刺激となりました。
 生存競争の中で、あえて環境の厳しい潮間帯にその生きる場所を選び、その為に自らの機能を進化させていったマングローブに感動を覚えます。
 マングローブは、幼木の時、大潮時に一日中24時間海中に沈んでいる場合があるようです。それでも、立派に生きています。酸素呼吸ではなく、無酸素呼吸を行っているそうです。マングローブのたくましさに感服です。
 ここに生物の神秘性を感じます。動物とは違って、脳を持っていない植物はどのようにして、判断しその機能を進化させていくのか?植物の遺伝子の力とは?
新しい知識との出会いは本当に面白いものです。

おまけです。
西表島の河へジャンプ!

だいぶサボりまして失礼しました。

 さて、先週は大阪に5日ほど滞在しました。
先月東京の市場を見たのですが、大阪の市場も今後の販路開拓のため、視察してきました。
それとは別にもう一つの目的は、昨年7月末に退社した電通関西支社のテレビ局という部署から、2010年7月~2011年6月で異動になった社員も招待して懇親会を開催しますと連絡がありました。退社した私も招待してくれました
 当初は、非常に気兼ねしていたのですが、一晩寝て、やはり「こんな有り難いことはない」と参加させていただきました。一年という月日を感じさせないほどに温かく迎えていただいたこと、多くの方と楽しい酒杯を交わせたこと、お話をさせていただいたことに感謝です。一年前に退社した社員をこうして変わらず迎えてくれる部署は、世界中の会社でも、なかなか無いと思います。有難うございました。
 電通という会社を離れて、一年が経とうとしています。違う人生を歩き始めてまだまだ、未熟さだけを感じる日々です。ただ、その未熟さのなかにも充実したものを感じています。それは、とてもとても大切なことだと思います。この新しい道で、社会の中を逞しく生きていくには、もう3、4年かかるかもしれませんが、頑張って前に進んでいきます。これからもよろしくお願いいたします。

大阪中央市場の競り人の楽しい説明です。

遠く南アフリカからの出荷、驚きます。

果物の競りが始まります。

宿泊した旅館お近くの銭湯です。下町の雰囲気にホッとします。

土曜日夕方の北新地。空がきれい。

土曜の夜に、マイノリティにて。

  

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