以前このホームページでも紹介しましたが、一昨年秋、「永遠の0(ゼロ)」を読み、特攻という事実を深く考えました。どうしても、鹿児島県知覧町にある『知覧特攻平和会館』を訪問したくなり、昨年3月末に一人、知覧を訪れました。ちょうど桜の咲く季節で、穏やかな春の日差しの下、桜が美しく舞う中、大きな衝撃をずっしりと受け記念館を後にした思い出があります。
そして今回、facebookで紹介された一冊を読みました。ノンフィクッションです。アメリカで生まれた日系二世、松藤大治氏の23年という短い生涯です。十五才のときに、アメリカからひとり両親の故郷福岡県・糸島に帰国し、糸島中学から東京商科大学(現在の一橋大学)に入学、「日本とアメリカの間を結ぶ」外交官を目指していました。しかしながら、戦争はその有望な青年の運命を大きく捻じ曲げ、日本人として零戦に乗り、沖縄の海に向かわせます。日本人が起こした戦争というものがなんとも非情なものか、無念でたまりません。65年という月日は、その事実を人々の記憶から少しずつ消し去ろうとしていましたが、作家門田隆将氏の力により、再び、その魂を感じることができたと思います。
※偶然にも昨年春、松藤大冶氏が卒業した糸島中学校のある福岡県糸島を訪れています。まだ穏やかな山々と海のある美しい街です。
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